赤ワインに血圧を下げる効果がある?カギとなるのはポリフェノール!

赤ワイン

日本で最も多い生活習慣病が「高血圧症」だといいます。発症者の数はおよそ4300万人。

しかし、高血圧症は自覚症状がほぼないため、見過ごされることが多いのだとか。

ところが高血圧症を放っておくと、動脈硬化症や心筋梗塞などの合併症の発症へと発展します。ですから、普段から意識して、血圧を上げないようにしなければなりません。

そこでおすすめしたいのが「赤ワイン」。

というのも赤ワインの効能として、血圧を下げる効果があるとされているからです。

今回は、赤ワインが血圧を下げるという効能について掘り下げてまいります。赤ワイン好きな方はもちろん、血圧が気になる方にも読んでいただきたい内容です。

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目次

赤ワインがフランス人の血圧を下げていた

血圧測定

あなたは『フレンチ・パラドックス(フランスの逆説)』という言葉を目にしたことはありますでしょうか?

「赤ワインは健康に良い」という、現在でも広く信じられている話のもとになった説です。きっかけは、1989年に世界保健機関(WHO)で行なわれた発表によります。

欧米の食生活は、肉や乳製品など動物性脂肪を多く摂取するものです。動物性脂肪の摂取量は心臓病の発生と大きな関連があるとされていたのですが、フランスでは動物性脂肪の摂取量が多いのにもかかわらず、周辺国と比べて心臓病による死亡者が少ないという調査結果が出たのです。

通説に反する結果の理由を調べたところ、フランスでは赤ワインを多く飲むからではないかという仮説にたどり着きました。これが『フレンチ・パラドックス』です。

そして、これら心臓病の原因は加齢やタバコなど様々あるのですが、その一つが高血圧によるものであり、血圧を下げるのは赤ワインの効能の一つといわれています。これ以降、赤ワインの持つ健康効果に注目が集まり、多くの調査がなされ、今でも「赤ワインは健康に良い」とされています。

参考:『心臓病のフレンチ・パラドックス』 https://www.jhf.or.jp/publish/bunko/28.html

血圧を下げる効果があるのは、赤ワインに含まれるポリフェノール

続いて、また質問をさせていただきます。

あなたは『ポリフェノール』をご存知ですか?

この質問に対して、「ない」と答える人はおそらくいないでしょう。それくらい食品・飲料に含まれる成分としては有名なものです。

そして赤ワインの持つ、血圧を下げる効能において大きな役割を担っているのが、このポリフェノールです。

ポリフェノールとはどんなもの?

ポリフェノールとは、ブドウを含む植物が自分の身を守るために蓄えている成分です。植物が繁殖するためには種子を残し、発芽させなければなりません。しかし、未熟な状態ではその目的を達成できないので、未熟な状態で動物に食べられないように、種子や果皮には渋みの強い成分が蓄積されます。それがポリフェノールです。

ところがこのポリフェノール、渋みが強いため口にしたくないものなのですが、私たちにとっては抗酸化作用という大きなメリットがあったのです。

私たちの体内では悪玉コレステロールの酸化が進むことで、動脈硬化の原因となります。動脈硬化は体内の様々な部位に悪影響を与えますが、心臓周辺の血管が動脈硬化を起こすことによって引き起こされるのが心筋梗塞などの心臓病です。

つまり、動物性脂肪を多く摂ると心臓病が増えるのは、この悪玉コレステロールが増え、それらが酸化するからなのです。

また、動脈硬化は血管を硬くし、血管内部を細くします。これは、血管の伸縮性がなくなるため、そして細くなった血管でこれまでと同じ血液量を流そうとするため、血管に大きな圧がかかることとなります。こうして高血圧症へと進行するのです。

ポリフェノールは、抗酸化作用により悪玉コレステロールの酸化や動脈硬化を抑え、血管を健全な状態に保つ働きを持っているので、血圧を下げることができるのです。

近年注目を集める成分「レスベラトロール」

ポリフェノールにも数多くの種類がありますが、赤ワインに含まれるポリフェノールの中で主体となっているのが「レスベラトロール」です。

レスベラトロールは、認知症や生活習慣病の予防に効果があるということで近年話題となっています。このレスベラトロールは、赤ワインに含まれるポリフェノールの一種だったのです。

また、レスベラトロールは白ワインよりも赤ワインのほうに多く含まれており、赤ワインであれば色が薄く渋みが少ないものよりも、色が濃く渋みが多いものに多く含まれていることがわかっています。

血圧を下げるのに貢献している、赤ワインに含まれる他の成分

赤ワインに血圧を下げる効果があるのは、赤ワインに含まれるレスベラトロールというポリフェノールのおかげだと説明しました。

しかし赤ワインには、他にも血圧を下げる効果がある成分も含まれていることがわかっています。

以下の2つですが、それぞれがどのようなメカニズムで血圧を下げるのかを見てみましょう。

・ヨード

・カリウム

ヨード

海藻に多く含まれていることで知られているのがヨードです。ヨードは新陳代謝を促進します。ですから、動脈の老化を防ぎ、血管を柔らかく保つことで血圧を下げる働きがあるとされています。

カリウム

塩分(ナトリウム)が血圧を高くするのはよく知られています。赤ワインに含まれるカリウムには、このナトリウムを体外に排出する働きがあります。したがって、カリウムを摂取することで、血圧を下げる効果が期待できます。

赤ワインをたくさん飲むほど血圧が下がる?

赤ワイン

「赤ワインを飲むほど血圧が下がる」

こんな研究結果があればうれしいのですが、残念ながら、そのようなことはなさそうです。

むしろ、アルコールには赤ワインのポリフェノールが持つ、血圧を下げる効果を妨げる働きがあるらしいのです。これは、スペイン・バルセロナ大学の研究によってわかりました。

「アルコールを含む赤ワイン」「ノンアルコールの赤ワイン」「ジン」の3種類の飲み物の血圧を下げる効果を測定したところ、最も効果があったのが「ノンアルコールの赤ワイン」でした。同じポリフェノール含有量である「アルコールを含む赤ワイン」では、この「ノンアルコールの赤ワイン」と比べて、血圧降下作用が低かったようです。このことから、アルコールには血圧を下げる効果を阻害する働きがあるとされています。

ですから、純粋に血圧を下げる効果だけを求めるのであれば、ノンアルコールの赤ワインを飲むほうがよいようです。そもそも、アルコールの摂取し過ぎは様々な健康被害の原因となることが明らかになってきていますので、ほどほどに嗜むのがよいよいでしょう。

参考:ノンアルコール赤ワインは収縮期および拡張期の血圧を減少させ血漿一酸化窒素を増加させる

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まとめ

日本人に最も多い生活習慣病であり、他の合併症を引き起こす危険性が高い高血圧症。

この高血圧症に関して、私たちの愛してやまない赤ワインに血圧を下げる効果があることがわかりました。ブドウの種子や果皮に含まれるポリフェノールが、赤ワインの製造過程で多く抽出され、このポリフェノールに抗酸化作用があるため、血圧にも影響を及ぼすからです。

しかもポリフェノール以外にも、赤ワインには血圧を下げる効果が期待できる成分があることもわかりました。 ただし、赤ワインに血圧を下げる効能があるからといって、飲みすぎては逆効果です。赤ワインを飲むのは適量にして、健康的に生活していきましょう。

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