赤ワインを飲むと頭痛がする?!その原因と対処法

赤ワイン

「赤ワインを飲むと頭痛がする」という人もいるでしょう。その頭痛の原因は、飲みすぎであったり、赤ワインに含まれている成分であったり、一緒に食べるおつまみだったりする可能性があります。

今回は、「赤ワインと頭痛」をテーマに、

・赤ワインと頭痛のよくある誤解

・赤ワインを飲んだときに起きる頭痛の原因

・赤ワイン由来の頭痛を抑える方法

について解説していきます。

winexネットショップ
目次

赤ワインを飲んだ時に頭痛になるのは防腐剤が原因?

まず、よく見る「赤ワインと防腐剤の関係」から考えていきましょう。

「防腐剤は、原則として頭痛の原因にはならないこと」とその理由について述べていきます。

赤ワインで起きる頭痛は、防腐剤が原因?

「赤ワインと頭痛」というキーワードで調べたとき、必ず「赤ワインを飲んで頭痛が起きるのは、赤ワインに含まれている防腐剤が原因である」という論にぶつかることでしょう。

赤ワインに含まれている酸化防腐剤のうちのひとつである亜硫酸が、頭痛を引き起こす……とする説です。

このような説をもって、「だから添加剤が入っていない赤ワインを飲む方が良い」「有機栽培のワインを選ぶべきだ」「オーガニックワインの方が、一般的なワインよりも優れている」という論を展開する人もいます。

防腐剤が原因で頭痛が起きる可能性は極めて低い

しかしこれは、現在では誤りだと考えられています。

そもそもワインの製造過程において、必ず亜硫酸は発生するものです。

ブドウが発酵していくなかで生まれるものですから、どんなワインでも必ず(量に違いはあるものの)亜硫酸は含まれていることになります。

また、種類によって多少異なりはするものの、実は赤ワインよりも白ワインの方が亜硫酸塩(亜硫酸が中和されるときに生じる塩分のこと。

ここではより正確に記すために「亜硫酸塩」としたが、働き方は亜硫酸と同じ)を多く持つとしている専門家もいます。

 

なお厚生労働省では、「それぞれのカテゴリー(食品)に含まれる亜硫酸の上限量」を定めていて、赤ワインのそれは「1キロに対して0.35グラム以下」とされています。

ちなみにEUでは、ワインを種類ごとに分けて、それぞれの種類の赤ワインに含まれる亜硫酸の限度量を定めています。

このなかで、厚生労働省の定める「1キロに対して0.35グラム以上」の可能性があるのは、極甘口ワインのみです。

またこれはあくまで「最大含有量」ですし、実際には極甘口のワインに含まれている亜硫酸は、糖分と結合することによってその働きを失っています。

また、そもそも亜硫酸を含む食材・食品は赤ワインだけではありません。

たとえば同じ「お酒仲間」であるビールや、ファーストフードの代名詞であるポテト、健康に良い食品として知られているドライフルーツにもこれは含まれています。

一部の持病を持っている人の場合は警戒が必要だが、基本的には安全

確かに、亜硫酸によって過度な反応を見せる人はゼロではありません。

たとえばひどい喘息を患っている場合は、ワインに含まれる亜硫酸が発作の原因となる可能性はあります。

加えて喘息でせきをした場合、一時的に頭痛が起きる可能性は否定できません。

また、世の中には亜硫酸にアレルギーを持っている人もいます。このような人が亜硫酸を含むワインを飲んだ場合は、身体に異常が出る場合もあります。

※喘息を患っている人すべてが赤ワインを飲んで発作を起こすわけではありません。

※ただし、喘息やアレルギーを持っている人は医師の指示に従うとともに、異常が出たらすぐに飲むのをやめて、必要に応じて病院に通うなどしてください。

 

裏を返せばこのような持病を持っていない人の場合は、「赤ワインに含まれる亜硫酸だけが原因で、頭痛が起きる」という可能性は極めて低いといえます。

片頭痛が起きた場合であっても、それは赤ワインに含まれている防腐剤に原因があるというよりも、ほかの部分に原因があると考えるべきでしょう。

 

では、この「ほかの原因」とは何なのでしょうか。

次の項目では、「赤ワインを飲んだときに起きる頭痛の、本当の原因」について解説していきます。

赤ワインを飲んだ時に頭痛が起きる、その本当の原因とは?

 

上記では、「赤ワインを飲んだときに起きる頭痛の原因は、多くの場合防腐剤以外のところにある」としました。

それでは、実際にはどのような原因が考えられるのでしょうか。

これは、以下の3つです。

1.飲みすぎ、二日酔い

2.ポリフェノール

3.おつまみとの食べ合わせ

それぞれ見ていきましょう。

1.飲みすぎ、二日酔い

まず、真っ先に挙げられる原因が「飲みすぎ、二日酔い」です。

ワインは種類によってアルコール度数は異なるものの、赤ワインの場合は低いものでも10パーセント程度、高いものであれば16パーセント程度あります(なお、酒精強化ワインはもっと度数が高くなりますが、ここでは酒精強化ワインは取り上げないものとします)。

 

ビールの度数がだいたい5パーセント程度ですから、赤ワインはその2倍~3倍程度のアルコールが含まれているということになります。

 

厚生労働省が定める「1日に摂取するアルコールの適量」は、純アルコール量で20グラムです。

この純アルコール量は、

飲酒量(ミリリットル単位)×アルコール度数×0,8

で求められます。

飲む赤ワインの度数を14パーセントと仮定した場合、飲める量は179ミリリットル程度、だいたいボトル4分の1程度となります。

 

厚生労働省では「1日に60グラム以上を、多量飲酒とする」としています。

当然大量飲酒をすれば酔いやすく、翌日に残りやすく、また頭痛や吐き気といった症状も出やすくなります。

お酒の強さは人によって異なりますが、だいたいワインボトル1本の赤ワインを1人で飲み切った場合は大量飲酒となり、このような症状に悩まされやすくなるでしょう。

2.ポリフェノールとヒスタミン

ワインの中に含まれている「ポリフェノール」と「ヒスタミン」が頭痛の原因となることもあります。

・ポリフェノール

赤ワインに含まれている成分として、「ポリフェノール」は非常に有名なものです。

ポリフェノールは高い抗酸化作用を持ち、動脈硬化の予防などに効果を示す非常に有用なものです。白ワインにはほとんど含まれていないため、「健康を目的としてワインを飲むのであれば、赤ワインの方を推奨する」とする意見の根拠の元にもなっています。

ただこのように非常に効果的なポリフェノールですが、これが時に頭痛の原因になることはあまり知られていません。

ポリフェノールは、血管を広げる作用があります。頭痛の一種類である片頭痛(「偏頭痛」とも。ここでは「片頭痛」の表記に統一)は、血管が拡張するときに痛みが生じるものです。このため、片頭痛持ちの人がポリフェノールを含む赤ワインを飲むと、症状が起きたり、症状が悪化したりする可能性があります。

・ヒスタミン

ヒスタミンとは、化学物質のうちのひとつです。ただ「化学物質」とはいっても、その元となるのはアミノ酸です。アミノ酸のひとつである「ヒスチジン」という成分に、細菌の酵素が働きかけることで、このヒスタミンが生まれるのです。

ヒスタミンは食中毒の原因となるものであると同時に、血管を拡張させる働きを持つものです。そのため、これもポリフェノールと同様、片頭痛持ちの人にとってはリスクとなりえます。

なお、ヒスタミンの含有量はワインによって異なります。一説によれば、フランス生まれのワインには特に多くのヒスタミンが含まれていて、イタリア生まれのワインにはあまりヒスタミンが含まれていないとされています。

 

ちなみに紀元前の書物にはすでに「ワインを飲んだことで頭痛が起きた」という記述がみられるそうですが、それはこのヒスタミンによるものではないかと考える専門家もいます。 

3.おつまみとの食べ合わせ

赤ワインの名パートナーとして知られている「チーズ」ですが、これと赤ワインを一緒に摂取することによって片頭痛が悪化するとする専門家もいます。

チーズやチョコレート、ナッツ類やハム・ソーセージ類が、片頭痛の原因になっているという見方があるのです。

もっともこの辺りに関しては、いまだに研究途上です。慎重な意見を持つ医師の場合は、「たしかにこれらが原因となって頭痛が起きる場合もあるが、それは『その食品そのものに頭痛を誘発する原因がある』というわけではなく、その食品に対して高い感受性を持つ人にのみ頭痛が起きる」としている場合もあります。

 

ただ、「赤ワインとこれらの食品は非常に相性の良いものだからいつでも合わせて食べていたが、そうすると必ず頭痛が起きる。しかし同じ量・同じペースで飲んだ場合でも、ほかの食べ物をおつまみにしていた場合は頭痛が起きない」という場合は、少し警戒してみる必要があるかもしれません。

赤ワインを飲んだときに起きる頭痛の対処法

Pouring red wine into a wine glass

最後に、「それでは赤ワインを飲んだときに起きる頭痛の対処法」について解説していきます。

この対策は、以下の3つです。

1.まずは「二日酔いにならない飲み方」を心掛ける

2.時間経過を待つ

3.必要に応じて抗ヒスタミン系の薬を使用する

それぞれ解説していきます。

1.まずは「二日酔いにならない飲み方」を心掛ける

まず非常に重要なのは、「頭痛の起きない飲み方、二日酔いにならない飲み方を心掛ける」というものです。

 

同じ量を飲む場合であっても、休憩なしで30分でボトル1本を飲み切る場合と、1日を掛けてゆっくり1本を消費していく場合では、当然お酒の回り方が異なります。

また、飲むときには必ずチェイサーを用いましょう。

 

チェイサーはお酒の合間に飲む水分であり、これがあるかどうかで状況は大きく異なります。

 

なおチェイサーは「今飲んでいるお酒よりもアルコール度数の低いものならばよい(=ビールなどでも構わない)」とする説もありますが、安全のために水もしくはお茶などのようにアルコールをまったく含まないものを選ぶようにしてください。

 

おつまみは人によって頭痛の原因になりますが、それでも、まったく固形物を入れないで飲み続けるよりはずっとましです。必ず軽食を取りながら飲むようにしてください。

 

何よりも大切なのは、「飲みすぎない」ということです。「まだ飲める」と思っている段階は、すでに判断力・思考力が落ちている可能性もあります。「まだ飲める」の段階でやめるようにしてください。

2.時間経過を待つ

「二日酔いにならない飲み方を心掛けていたが、酔っぱらってしまった」「時すでに遅し、今現在が苦しい」という場合でも、時間経過を待てば人体は自然にアルコールを分解していきます。

 

そのため、ワインに限ったことはでありませんが、酔って頭痛が起きたときのもっとも確実な方法は「時間経過を待つ」ということになります。

 

ちなみに「適量(純アルコール量20グラム)」のワインが分解されるまでの時間は2時間程度、「大量飲酒(純アルコール量60グラム)のワインが分解されるまでの時間は11時間程度です。

迎え酒は厳禁です!

 

※体調面に異常がある場合は時間経過を待たず、必要に応じて医療機関を受診してください。急性アルコール中毒が疑われる場合は、救急車を呼んでください。 

3.必要に応じて抗ヒスタミン系の薬を使用する

あまりお勧めできる方法ではありませんが、「どうしても頭痛が収まらない」という場合は、緊急避難的に抗ヒスタミン系の薬を使用するのもひとつの手です。

 

やむを得ないときにはこれを飲んで乗り切ることも考慮すると良いかもしれません。

 

しかし抗ヒスタミン剤も、肝臓に負担をかけるものです。また「抗ヒスタミン剤があるから、頭痛が起きてもいいや」と考えることは非常に危険です。あくまで「例外的な」対策だと考えてください。

 

体質は、人によって異なります。そのため赤ワインを飲んで頭痛が引き起こされる人もいれば、まったくこれに悩まされない人もいます。自分の体質を知ったうえで、「どのように赤ワインと付き合っていくか」を考えていくとよいでしょう。

「赤ワインにはブルーチーズが合うからこれを合わせたいけど、念のためにナッツは避けておこう」「今日は多めにお酒を飲みたいけど、不安だから時間をかけて飲もう」などのように調整していきたいものですね。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

コメントは日本語で入力してください。

CAPTCHA

目次