初心者の方に知ってほしい!簡単♪ワインの楽しみ方!!
今こうしてこの文章をお読みになっているということは、ご自分のことをワイン初心者だと思われているということでしょうか。
それであれば、他人とワインを飲むのに及び腰になっていませんか?
ワインの情報量の多さに圧倒され、縁遠い存在だと思っていませんか?
しかし、そのように難しく考えないでください。
ワインの世界で遊ぶのに一番大事なのは楽しく飲むことです。
まずは、心の壁を取り払って気軽にワインに親しむことから始めてみましょう。
とはいっても、完全にゼロからスタートしたのではやはり迷子になってしまいます。
迷わないために、最初に多少の知識は持っておいたほうがいいでしょう。
ですから、今回はそのような初心者の方のために、ワインの楽しみ方を浅く広くお伝えします。
ワインってどんな飲みもの?
まずはワインの世界の入り口、ワインがどういうものなのかに軽く触れておきましょう。
原料、作り方
ワインの原料がブドウだということはご存じでしょう。
では、そのブドウが醸造用と生食用に分かれているのはご存じですか?
私たちがスーパーなどで見かける生食用ブドウと違い、写真のように醸造用は粒が小さいうえに皮が厚くて、そのまま食べるのには向いていません。
ただワイン作りをするには、そのようなブドウのほうが適しています。
生食用から作られたワインもあるのですが、そのような事情から醸造用から作られるほうが圧倒的に多いのです。
さらにそれぞれが黒ブドウと白ブドウの2種類に分かれています。
これは見た目、皮の色の違いで一目瞭然ですね。
本当は灰色ブドウといって中間的なものもあるのですが、基本的には白ワインになるのでここでは白ブドウとしておきます。
このブドウをアルコール発酵させて製品化したものがワインです。
アルコール発酵では、原料中の糖分を酵母が分解し、アルコールと二酸化炭素を発生させます。
酒類内の分類
お酒はその国独自の法律によって規制されています。
分類法も国によって様々ですが、日本ではこの3つに分類されます。
「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」です。
種類 | 概要 |
醸造酒 | 原料を発酵させただけのシンプルなお酒 |
蒸留酒 | 蒸留という工程によって醸造酒のアルコール度数を高めたお酒 |
混成酒 | 醸造酒や蒸留酒に他の材料を加えて作ったお酒 |
ほとんどのワインは「醸造酒」に分類されます。
しかし、シェリーなどの一部のワインは「混成酒」とされています。
気をつけていただきたいのは、混成酒の裏のラベルには「甘味果実酒」と書かれているのですが、実際は甘いものばかりではないというところです。
ワインの種類
ワインもこの中で様々な種類に分かれています。
また、分類の仕方も一通りではありません。
このあたりも一旦まとめておくと後々迷わなくなりますので、ここで確認しておきましょう。
作り方による分類
まずは作り方による分類です。
4種類に分かれていますので、これを表で見てみましょう。
種類 | 説明 |
スティルワイン | 一般的に「ワイン」と呼ばれているもの。「スティル」とは“静かな”という意味で、スパークリングワインの“泡立つ”に対しての言葉 |
スパークリングワイン | 二酸化炭素による発泡性があるもの。製造方法により炭酸の含ませ方が異なる |
フォーティファイドワイン | 日本語では「酒精強化ワイン」と呼ばれる。製造途中でアルコール添加をし、度数が高められている |
フレーバードワイン | 香草などで香りづけがされている。もっとも有名なのが「ベルモット」 |
この中で、お話しておきたいのがスパークリングワインに関してです。
「“シャンパン”と“スパークリングワイン”はどう違うのか?」と初心者の方の多くが疑問に思うところだからです。
簡単に説明しますと、シャンパンというのはスパークリングワインの中の一種です。
フランスのシャンパーニュ地方において、決められた方法で作られたものだけがシャンパンを名乗ることができます。
そういう“特別な”スパークリングワインがシャンパンです。
写真のように「CHAMPAGNE」の記載があります。
色による分類
「白ワイン」「赤ワイン」「ロゼワイン」といった最も馴染みのある分類法ですね。
この違いはブドウの種類と作り方により生まれます。
それぞれを見ていきましょう。
まずは白ワインから。
原料は白ブドウのみ……といいたいのですが、そうとも限りません。
たしかに、基本的には白ブドウのみから作られますが、実は黒ブドウからも作ることができます。
といいますのも白ワインはブドウを絞って、果汁だけを発酵させて作るからです。
黒ブドウも中の果肉は白っぽいので、果皮の色素が出ないように軽く絞ればその果汁から作られたものは白ワインになります。
続いて赤ワインの作り方です。
原料となるのは黒ブドウ。
白ワインを作る時には果汁だけを発酵させましたが、赤ワインでは果皮や種と一緒に発酵させます。
そうです。
赤ワインの色はブドウの果皮の色なんですね。
このようにブドウ丸ごとから作るので、果皮や種から出る渋みなどで複雑な味わいになります。
よく言われる「赤ワインはポリフェノールが多い」というのも、この果皮と種のおかげです。
ここまで読んで「赤ワインは黒ブドウだけから作られるのね」とお思いでしょう。
しかし、赤ワインも白ブドウが使われることがあるのです。
といっても、黒ブドウの果皮の色素がなければ赤ワインを作ることはできません。
では、どういうこと?ってなりますよね。
答えは、黒ブドウと白ブドウを混ぜて発酵させる「混醸」という作り方があるのです。
ですから、赤ワインに白ブドウは使われるけれども白ブドウだけから作られるということはありません。
ここが黒ブドウだけから作られる白ワインがあるのとは違うところです。
最後にロゼワインなのですが、これが一筋縄ではいきません。
作り方が4種類あります。
まずは、黒ブドウを使って赤ワインと同じように作り始めるのですが、果皮から色が少し出たところで絞り、ロゼカラーの液体と果皮を分ける作り方です。
次も黒ブドウを使うのですが、今度は白ワインを作る時のように絞って果汁だけを取り出します。
ただ、このとき果皮から色が出るように強めに絞るのです。
そして、うっすらとピンク色をした果汁を発酵させて作ります。
3つ目は黒ブドウと白ブドウを最初に混ぜておいて、それらから赤ワインと同じように作るやり方です。
先ほど混醸という作り方をご紹介しましたが、基本的には同じような作り方です。
黒ブドウと白ブドウの割合、途中の果皮と液体を分けるタイミングなどで赤くなり過ぎないようにしています。
最後が最もシンプルな作り方です。
白ワインに赤ワインを少し混ぜて作ります。
ただし、この作り方は伝統的なロゼワインの作り方ではないということで、EU内では一部を除いて禁止されています。
初心者でも一目置かれる、ワインの飲み方
飲み方は好きにしていただいて結構です。
おいしく飲めれば何も難しいことを考える必要はないのですから。
とはいっても、周りで慣れた感じで飲んでいる人を見ると同じように飲まなければいけないような気がしてきますよね。
そのお気持ちよくわかります。
初心者の頃ほどそう思えるものです。
ですから、飲み方についても見ておきましょう。
作法
まずは、グラスの持ち方からまいります。
ワイン好きという人を見るとグラスの足の部分を指先で持って、洗練されたような飲み方をしているなと思いますよね。
でも、いざ自分もやってみるとグラスがグラグラ揺れて、落ち着いて飲めません。
グラスをカッコよく安定させて持つにはどうしたらよいのでしょうか。
それには持つ位置をできるだけ上のほうにするということです。
グラスの液体が入る部分をカップといったりボウルといったりしますが、ワインがカップに入っているときは全体の重心はカップ内にあります。
ですから、できるだけ重心に近いところすなわちカップに近いところを持つと安定します。
そして、指先ではなく指の腹を使うようにしましょう。
親指と人差し指、中指の3本の指の腹でグラスの脚を3方向から挟むようにすれば、結構安定して持つことができます。
最初は不安定な感じがして落ち着かないかもしれませんが、少しすれば慣れますので心配しないでください。
ちなみに乾杯をするときは、極力グラス同士をぶつけないようにしましょう。
カジュアルな状況であればあまり問題はありませんが、お店によっては繊細で割れやすいグラスを使っていますので、カチン!とはしないでおきましょう。
味わい方
ワインの味わい方などというと、ソムリエの飲み方が頭に浮かぶかもしれませんが、あんなに大袈裟にやる必要はありません。
ただしソムリエがやっているのは、ワインをできるだけ多くの感覚で味わうための一連の流れですので、基本的には同じ流れだと思ってください。
まずは、グラスにワインを注いだら軽く色合い(外観)を見てみましょう。
ワインはそれぞれに微妙な色の違いがあり、そこからはいろいろな情報が読み取れます。
暖かいところで作られたものほど色が濃くなる傾向があるとか、作られて間もない若いワインは少し青みを帯びているとかです。
熟成が進むほどに赤い色素は抜けていき、黄色味は増していくというのもあります。
そのような見た目のシグナルから、目の前にあるワインの経歴を想像することは楽しみ方の一つとなります。
目で楽しんだ後は、香りを嗅いでみましょう。
花やフルーツ、スパイスなどワインからは様々な香りがしてきます。
感じるままにそのワインの芳香を満喫しましょう。
もし「この香りはなんだろう?」と思ったら、インターネットで「ワイン 香り 表現」などの言葉で検索をかけてみてください。
多くの香りを表現する言葉が見つかるはずです。
漠然と感じていた香りと、それにふさわしい言葉とが結びつく瞬間はとてもうれしいものです。
いよいよワインを口に含み味わってみましょう。
味の表現も様々あり、感じたままでよいのですが、他の人との会話のためにこれくらいは押さえておいたほうがよい表現というのがあります。
まずは、重さの表現です。
よく使われるのが「フルボディ」「ミディアムボディ」「ライトボディ」という言葉です。
それぞれ「しっかりした飲み口」「バランスの取れた味わい」「飲みやすく軽やか」という意味で使われます。
一般的には赤ワインに対して使われる言葉で、白ワインではあまり使われません。
ただし、白ワインでも軽いものからしっかりしたものまで重さの違いはあります。
お店の人に好みを伝えるときなどのために、好きなワインがどれくらいの重さなのかを説明できるようにしておきたいですね。
あとは、甘口と辛口についても知っておきたいところです。
赤ワインに関しては、ほぼ全てが辛口で甘さについて語ることはほぼないと思います。
甘さに関して語られるとすればそれは白ワインについてでしょう。
白ワインも現在飲まれているもののほとんどが辛口ですが、一部甘口のものがあります。
それもうっすら甘いというものから、しっかりと甘いものまでその幅は相当広いです。
料理や場面に応じて甘さが違うものを飲み分けられるようになると、ワインの楽しみ方の幅が一気に広がります。
初心者を卒業するには、甘いワインも選べるようになっておきたいところです。
スワリング
この言葉は知っていましたか?
言葉を知らなくても様子は見たことがあると思います。
ワインを飲んでいる人がグラスをクルクル回していますよね。
アレが「スワリング」です。
ワインというのは、作られた後瓶詰めされて流通しますが、時間とともに性質が安定しておとなしくなっていきます。
その結果、栓を開けた直後は香りや味があまりしません。
これを閉じた状態などといったりします。
ですからグラスに注いだ後、クルクル回して空気に触れさせることで香りや味を元の元気な状態に戻すのです。
これを開かせるなどといったりします。
寝てしまったワインを起こすようなものともいえるでしょう。
それで、皆クルクルとグラスを回しているのです。
やり方は、ただ回すだけなのですが、ちょっと気をつけていただきたいことがあります。
慣れた人は空中で上手にクルクルッと回すのですが、これを初心者の人がやるとたいていこぼしてしまいます。
意外と力の加減が難しいのです。
ですから、慣れないうちはグラスをテーブルの上に置いたままで、ゆっくりグラスで円を描くように回しましょう。
あとは、回す回数も控えめにしましょう。
あの動作がクセになってしまっていて、ずっと回している人もいますが、あまりお行儀が良いこととはされていないので、何度かクルクルッと回したらおしまいにしてください。
あと、スパークリングワインでは普通はやりません。
大事な炭酸が飛んでしまいますからね。
楽しみ方の幅が広がる、ワインの知識
基本的な飲み方、楽しみ方をお話してきましたが、ここからはもう少し踏み込んだ話をしていこうと思います。
といっても、初心者から脱するために知っておきたいちょっとした知識という程度のものです。
少しずつでも覚えていって、実際に使ってみてください。
飲む順番
ここでの飲む順番というのは、2種類以上のワインを飲む場合にどういう順序で飲むといいのかということです。
もちろん、こうしなければマナー違反だというものではありません。
多くの人の経験から導き出された、この順番で飲むほうが楽しめますよという知恵だと思っていいでしょう。
スパークリングワイン→白ワイン→赤ワイン
コース料理の流れに合わせる場合はこの順番が定番となります。
食前酒としてスパークリングワインを飲み、胃を刺激して食欲を高め、そのまま前菜まで楽しみます。
次に魚料理に合わせて白ワインを飲み、肉料理で赤ワインへ進むという流れです。
コースではない場合でも、このワインの流れに合わせて料理を食べると違和感のないものとなります。
軽くさっぱりしたワイン→重くしっかりしたワイン
これは、重いものの後に軽いものを飲むと味が薄っぺらく感じてしまうからです。
軽いものから飲めばどちらもおいしく感じられるはずです。
ですから、できれば軽いものから飲んでいきましょう。
辛口のワイン→甘口のワイン
こちらも甘口のものを飲んだ後に辛口のものを飲むと味を感じにくくなります。
酸味も目立ち、本来の味とは違ったものになってしまいます。
食事でも甘いデザートは最後に食べるように、ワインも甘いものは後と覚えておきましょう。
若いワイン→熟成されたワイン
ワインは熟成が進むほど複雑さを増していきます。
ワインの格が同じくらいであれば、若いものから飲むのが一般的にはよいとされています。
廉価なワイン→高価なワイン
価格だけでは決められない点もあるのですが、一般的に高価なものほど香りや味が複雑で飲みごたえもあるものです。
ですから順番を逆にすると、廉価なワインを物足りなく感じてしまうでしょう。
品種
ブドウ品種がワインの香りや味を左右するというのは、いまやワインを飲まない人でも知っていることだと思います。
品種の特徴を知ることは、ワイン選びの第一歩といえるでしょう。
メジャーなものを8種類選んで表にしましたのでご確認ください。
品種 | ワインの色 | 特徴 |
カベルネ・ソーヴィニョン | 赤 | もっとも有名な黒ブドウ品種。重厚さを持ちながらも上品な味わい |
メルロー | 赤 | 多くの人に好まれている品種。果実味に富みなめらかな味わい |
ピノ・ノワール | 赤 | 最も高価なワインを生み出す品種。有名な「ロマネコンティ」の原料となり、高貴な味わい |
シラー(シラーズ) | 赤 | 産地によって違いの出る品種。個性的なオーストラリア産はパワフルかつスパイシーな味わい |
シャルドネ | 白 | 一番人気の白ブドウ品種。作り手の違いにより多彩な表情を見せるニュートラルな味わい |
ソーヴィニヨン・ブラン | 白 | 徐々に生産地域を広めている品種。爽やかな香りとフレッシュさが特徴の味わい |
リースリング | 白 | ドイツを代表する品種。華やかな香りとしっかりとした酸味を持つ味わい |
甲州 | 白 | 昨今人気のある日本ワインを代表する品種。柑橘系の香りが特徴で和食と合う味わい |
マリアージュ
すっかり市民権を得ていると思いますが、“ワインと食べ物との良い相性”を意味する言葉です。
ただ、この話をしっかりすると本一冊でも足りないくらいのボリュームになりますので、今回は入り口にあたるところだけお話します。
まずは、このマリアージュにはセオリーのようなものがあります。
それは「個性を合わせる」「色を合わせる」「逆の要素を合わせる」「重さを合わせる」
の4つです。
個性を合わせるというのは、似たところを持つワインと料理を合わせるというものです。
例えば白身魚を軽めに調理してハーブをきかせたものであれば、白ワインでハーブのニュアンスを持ったソーヴィニヨン・ブランから作られたものを合わせるという具合です。
次に、色を合わせるというのは、料理の色が白っぽければ白ワインを、赤から茶色の料理には赤ワインをというふうにします。
想像していただきたいのですが、さっぱりした料理といわれるとどのようなものが浮かぶでしょうか。
見た目が白っぽいものが多いのではないでしょうか。
逆にしっかりした料理で浮かぶものはどのようなものでしょうか。
今度は茶色っぽいものですよね。
すべてに当てはまるわけではないのですが、見た目というのはとても簡単な合わせ方の一つです。
逆の要素というのは、辛い料理に甘いワインを合わせるやり方です。
これも想像してみるとお互いを抑えあって、いいバランスになりそうですよね。
重さを合わせるのは、以上の3パターンにおいてそれぞれ料理の味わいが重くなる(脂肪分が多くなる、旨みが強くなる)とそれに合わせてワインのボディ(いわゆる渋みや果実味)を重くするというものです。
逆にタブーとされる組み合わせもあります。
例えば、赤ワインと青魚などはどうしても口に金属的な臭みが残ってしまうので、避けたほうがよい組み合わせとされています。
特に魚卵に関してはどんなワインとも合わないとされていますので、ワインを飲むときには食べないほうがいいでしょう。
初心者だって気おくれしない、お店での楽しみ方
飲食店に行ってワインを飲む場合、基本的にはグラスワインもしくはボトルワインのどちらかを選ぶこととなります。
その際の注文の仕方が少し違いますので、そのあたりを説明します。
グラスワイン
お店によって品ぞろえにばらつきがあります。
少ないお店だと赤・白1種類ずつだけということもあるでしょう。
まれに多くの種類を扱っているお店があり、赤・白だけでなくスパークリングやロゼもグラスで楽しめ、かつ赤・白も何種類もある中から選べます。
選択肢がない場合はそれに従うしかないのですが、多くの種類から選べる場合には料理に合わせてワインを選ぶのがおすすめです。
料理とワインの組み合わせを色々変えて試してみるというのが、こういうお店の楽しみ方ではないでしょうか。
ボトルワイン
ワインを扱っているお店であればほとんどがボトル売りをしています。
むしろ、ワインを飲むというときにはボトルで注文するものというイメージのほうが、主流かもしれません。
そのときに迷うのが注文の仕方ではないでしょうか。
文字がたくさん並んでいるメニューを眺めながら途方に暮れてしまうのは「ワイン初心者あるある」ですよね。
こんなときはどうしたらいいのか。
結論から言ってしまいますと、お店の人に聞けばいいということになります。
食べる料理が決まっているのであれば、それに合うワインをくださいと従業員の人に言えばOKです。
ただ、ワインの味の好き嫌いがあるのでしたらこのときに告げてください。
あまり渋いワインは好きではないとか、フルーティーな白ワインが飲みたいとか伝えればお店の人が相応しいものをセレクトしてくれます。
困ったなというときは躊躇せずにお任せしてしまいましょう。
しかし、すべてを任せっきりにしてしまうと後でとんでもない代金を請求される恐れがありますので、希望の金額はさりげなく伝えておいたほうがいいでしょう。
といっても、一緒にお店に行く相手によってはその人の前で金額を口にしづらいということがありますよね。
そういうときは、メニューに書かれているワインの金額の中から、希望と同じくらいのものを指さして「これくらいでお願いします」といえばお店の人がわかってくれます。
「たまにメニューがないところもあるんだけど、そういうときはどうするの?」という疑問があるかもしれません。
そういう場合には、安価なものを希望するなら「カジュアルなものをお願いします」といえば通じます。
逆に今日は奮発するぞという日であれば、「今日は特別な日なのでそれにふさわしいものをお願いします」と言えば、すばらしいワインを持ってきてくれるでしょう。
ただし、ワインの金額の上限はお店により相当な開きがあるので、もし始めて行くお店であれば前もって相場を調べておいたほうがいいでしょう。
いよいよワインが運ばれてきました。
ここで始まるのが「ホストテイスティング」というものです。
省いているところもありますが、ボトルで注文すればたいていのお店で求められるでしょう。
ホスト、つまりその場を仕切る人がやることになります。
やり方は先ほどお話したテイスティングとほぼ同じです。
外観を見て、香りを嗅いで、味を確かめる。
基本的にはこれだけです。
ただし、このホストテイスティングは先ほどと違い、このワインを飲んで大丈夫かというチェックをするものです。
では、何をチェックすればいいのでしょうか。
細かくいうといろいろあるのですが、今回は「ブショネ」についてだけお話します。
ブショネとは”コルク臭”のことなのですが、天然コルクの中には一定の割合でこのコルク臭が発生しているものが存在するといわれています。
するとワインにも移り、ワインからカビのような臭いがしてきますので、その場合には新しいものと交換してもらいましょう。
香りを嗅いだ時や口に含んだ時に「イヤな臭いがするな」と思ったら、お店の人にそれとなく伝えてください。
と簡単にお話しましたが、もし間違っていたらと思うと「このワインは傷んでいます」とはなかなか言えないですよね。
かなりの勇気が必要です。
ですから、そういうときのための伝え方をご提案します。
それは「私はこのワインを飲むのが初めてなのですが、こういう独特な香りがするものなのですか。よろしければあなたも少し飲んでいただいて、この香りが品種に由来するのか醸造や熟成に由来するのか教えていただけませんか」と言うのです。
するとたいていの従業員が、もしかしたら傷んでいるのかもしれないなと思って進んで確認してくれるはずです。
まずはお家で飲んでみよう、ワインの扱い方
ここまでワインのお話をいろいろさせていただきましたが、やはり飲まないことには始まりません。
飲んで楽しんでこそのワインです。
とはいえ、なかなかどこかのお店に飲みに行くというわけにはいかないかもしれません。
ということで、まずはお家でワインを楽しみましょう。
選び方
近くのスーパーやコンビニでいいので、並んでいるものからあまり高くないものを選んで買ってください。
もちろん、高価なものを飲んではいけないわけではないのですが、カジュアルにワインに慣れ親しむところから始めるのがいいと思います。
スーパーやコンビニで売っているワインは、裏ラベルに味の説明が書いてあるものが多いので、そういう点でも最初はスーパーやコンビニで買うのがいいでしょう。
甘口・辛口の度合いであったり、ボディの重さであったり、書いてあることを参考にして買ってください。
とにかく経験を積むという気持ちでどんどんチャレンジしてみましょう。
ただし、運悪くおいしくないと思うものに当たった場合には無理をして飲まないでください。
もしそれでワインのことを嫌いになってしまってはいけませんので、その時はあきらめて料理用にするとか、ジュース類で割って飲むとかをしてください。
イヤイヤ飲むというのだけはやめておきましょう。
こうしていろいろなワインを飲んで、自分の好きなもの嫌いなものがどういうものなのかを覚えていきます。
するといつの間にか、飲む前に味の想像がつくようになっていきます。
そして、ある程度経験を積んだら専門店に行くとか、ネットショップで買うとかをしてみましょう。
するとやはりスーパーやコンビニとは違う品ぞろえ、品質に驚かれることと思います。
そしてお気に入りのお店ができると、より深くワインにのめり込むことになるでしょう。
自分の味覚と合うワインをそろえているお店や仕入れ担当の人は、かけがえのない財産だと思えるようになるはずです。
それを見つけられるまで気長にお店探しを続けてください。
温度
ワインにとって温度は結構重要です。
でもあまり気にし過ぎる必要はありません。
「白は冷やして、赤は常温で」というのを聞いたことはありますよね。
その程度で十分です。
ただし、「赤は常温」というのには気をつけてください。
私たちが常温と思っている温度とは違うのです。
ワインにおける常温とはフランスの平均的な室温とされていて、およそ15度前後とされています。
ですから、売られていたときの温度よりは冷たくして飲んでください。
温度調節ができるセラーがあれば問題ないのですが、ない場合にはどうしたらいいのでしょうか。
その場合には一旦冷蔵庫で冷やしたものを、飲む少し前に出して温度を上げるといいでしょう。
重めのものであれば30分前、軽めのものであれば10~15分前に出して適温にしてから飲むとおいしいですよ。
グラス
ワイングラスはお家にありますか?
あればもちろん問題ないのですが「なければワインは飲めないのか」というと、もちろんそんなことはありません。
グラスなんて、どんなのでもワインは飲めます。
ただしおいしく飲みたいのであれば、手持ちの中からよりふさわしいものを選んでいただきたいとは思います。
できればワイングラスのように真ん中が膨らんでいるようなもので、大きさも小さすぎるものは避けたほうがよさそうです。
ワインは香りも味わいの大きな要素です。
ですから、香りを溜めるための空間が大切なのです。
ワインもなみなみ注がず、できるだけ香りの空間を楽しめるグラスを選んでください。
抜栓
読んで字のごとく栓を抜くことなのですが、今やスクリューキャップのものが多くなっています。
これならひねるだけで簡単に開けられるので問題はないでしょう。
あと、スパークリングワインも特別な道具は必要ありません。
手で開けられます。
問題はコルク栓のタイプのものですね。
これは基本的には専用の道具がなければ開けられません。
初心者の方におすすめなのは「ウイング型ワインオープナー」というものです。
抜きやすく失敗が少ないので、お家に一つ持っておくとよいと思います。
ほとんどのソムリエが使っている「ソムリエナイフ」というものもありますが、慣れないととても苦労するので始めのうちは避けたほうが無難です。
ただ、ソムリエナイフで開けられるとカッコいいですよね。
いずれは手に入れて、使えるように練習してみましょう。
保管方法
カジュアルなワインを買ってきて、日をおかずに開けるのであれば、保管について考える必要はありません。
冷蔵庫に入れておけば十分です。
ボトルをすべて飲みきれなくて翌日に持ち越す場合も、元々栓をしてあったキャップなりコルクなりで栓をして冷蔵庫に入れておけば問題ないでしょう。
ただしスパークリングワインに関しては、炭酸が飛んでしまわないよう専用の器具を用意しておいたほうがいいですね。
まとめ
今回はワイン初心者の方にぜひ知ってほしいということで、ワインの楽しみ方についてお話しました。
ワインとはどういうものかから始まり、どうやって飲むと楽しめるのか、より深く楽しむために何を知っておくとよいのかということなどをお伝えしました。
しかし、今回は簡潔にワインの楽しみ方を述べることが目的のため、書き足りないことが数多くあります。
これらは他でお話しするのを楽しみにしてください。
最後に┉
ここまでこの記事を読んでくださったのであれば、もう初心者とはいえないでしょう。
もう立派なワインを愛する者の一人です。
ぜひ、今まで以上にワインのある生活を楽しんでください。
無限に広がるワインの世界で目いっぱい遊んでください!
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